移動平均線は向きやローソク足との位置関係によってトレンドの方向を把握できるだけでなく、売買のシグナルとしても用いられます。このページでは移動平均線を用いた売買シグナルの中でも特に有名なグランビルの法則について解説していきます。
Contents
グランビルの法則とは?
グランビルの法則とは米国のアナリストであるジョセフ・グランビル氏が提唱した投資手法で、価格と移動平均線の関係性から売買のタイミングを見極める手法となっています。移動平均線を用いた売買シグナルの中でも、最も有名な法則と言えるでしょう。
グランビルの法則の代表的な売買シグナル
グランビルの法則には8つの代表的な売買シグナルがあります。移動平均線の期間設定は投資家によって好みがありますが、最も一般的な20〜25期間のものを参考にするのがオススメです。
グランビルの法則 買いシグナル
買いシグナル①
下向きだった移動平均線の角度が緩やかになった状態で、ローソク足が移動平均線を上抜けしたら買いエントリー。下降トレンドから上昇トレンドへの転換点を狙うエントリーポイントとなっています。
買いシグナル②
上向きの移動平均線をローソク足が一時的に割り込んだときに買いエントリー。深めの押しが入った後の買い注文となります。
買いシグナル③
上向きの移動平均線にローソク足が接触または接近して反発したら買いエントリー。押し目買いのポイントとして多くの投資家が注目する基点となっています。
買いシグナル④
下降トレンド中、下向きの移動平均線からローソク足が大きく乖離したときに買いエントリー。下降トレンド中の一時的な上昇(戻し)を狙うとなっており、4つのシグナルの中では難度が高いエントリーポイントです。
実際のチャートで見る買いシグナル
買いシグナル①〜④を実際のチャートで見ると下図のようになります。
グランビルの法則 売りシグナル
売りシグナル①
上向きだった移動平均線の角度が緩やかになった状態で、ローソク足が移動平均線を下抜けしたら売りエントリー。上昇トレンドから下降トレンドへの転換点を狙うエントリーポイントです。
売りシグナル②
下向きの移動平均線をローソク足が一時的に上抜けたときに売りエントリー。深めの戻りがあった後の下落を狙う売りポイントとなっています。
売りシグナル③
上向きの移動平均線にローソク足が接触または接近して反発したら買いエントリー。下降トレンド中に一時的な上昇を見せた後は移動平均線を基点にして下落が再スタートする可能性が高く、多くの売り注文が集まるポイントとなっています。
売りシグナル④
上昇トレンド中、上向きの移動平均線からローソク足が大きく乖離したときに売りエントリー。上昇トレンドに対する逆張りですので、反転のリスクが高く、難しいエントリーポイントとなっています。
実際のチャートで見る売りポイント
売りシグナル①〜④を実際のチャートを見ると下図のようになります。
「買い」「売り」ともにトレンドに乗せやすいシグナル③に注目
上昇トレンド中にレートが一時的な下落を見せ、移動平均線に近づいたときは、押し目買いを狙う投資家の買い注文が最も集中するポイントとなっています。
逆に、下降トレンド中にレートが一時的な上昇を見せ、移動平均線に近づくと、戻り売りを狙う投資家の売り注文が集中します。
トレンドの流れに乗ったトレードをする上では、「買い」「売り」ともにシグナル③が最も狙いやすいので、初心者の方にもオススメのエントリーポイントとなっています。
まとめ
最後にこのページのポイントをまとめます。
グランビルの法則とは移動平均線を用いてエントリーポイントを見極める手法で、売買シグナルには以下の8パターンがある。
買いシグナル①:移動平均線が下向き→横向きになっている状態で、ローソク足が移動平均線を上抜け
買いシグナル②:上昇トレンド中、上を向いている移動平均線にローソク足が接近
買いシグナル③:上昇トレンド中、上を向いている移動平均線をローソク足が一時的に下抜け
買いシグナル④:下降トレンド中に移動平均線とローソク足が大きく乖離
売りシグナル①:移動平均線が上向き→横向きになっている状態で、ローソク足が移動平均線を下抜け
売りシグナル②:下降トレンド中、下を向いている移動平均線にローソク足が接近
売りシグナル③:下降トレンド中、下を向いている移動平均線をローソク足が一時的に上抜け
売りシグナル④:上昇トレンド中に移動平均線とローソク足が大きく乖離
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