株式投資やFXの代表的なテクニカル指標「移動平均線」は主に相場のトレンドを知るために用いられ、多くの投資家のチャートに表示されています。このページでは「移動平均線とは何か?」、「移動平均線を使ってトレンドを分析する方法」についてご説明していきます。
Contents
移動平均線とは
移動平均線とは、過去一定期間の終値の平均値を繋いだ線のことです。英訳すると「Moving Average」となりますので、略して「MA(エムエー)」とも呼ばれます。例えば、5期間の移動平均線なら「5MA」、20期間の移動平均線なら「20MA」といった具合です。期間の取り方はトレードスタイル(デイトレード、スキャルピングなど)によって異なり、自分の好みにあった期間の移動平均線を1本または複数本チャートに表示させると良いでしょう。20〜25期間の移動平均線が最も人気が高く、多くの投資家がチャートに表示させています。下図は20期間の移動平均線(20MA)を表示させたチャートです。20MAに沿ってチャートが上昇、下降していることがわかります。
移動平均線の種類
移動平均線には平均値の算出方法によっていくつかの種類があります。ここでは最もポピュラーなSMA(単純移動平均線)とEMA(指数平滑移動平均線)をご紹介します。下図には20SMAを赤、20EMAを青で表示しています。
・SMA(単純移動平均線)
SMA(単純移動平均線)は過去一定期間の終値の平均値を結んだ直線です。上図に表示しているのは20SMAですので、ローソク足過去20本分の終値の平均値を結んだ線となっています。
・EMA(指数平滑移動平均線)
EMA(指数平滑移動平均線)とは直近の終値に比重を置いて計算される平均値を結んだ線です。SMAと比べて最新のレートにいち早くついて行くという特徴があります。
SMAとEMAの特徴
SMAは単純に対象期間の終値の平均値を結んでいるので、トレンド転換後に向きが変わるのが遅れるという欠点があります。その欠点を補うことができるのがEMAです。上図を見るとわかるように、トレンドが変わる時にはEMA(青線)が最も早くレートに付いて行っていることがわかります。EMAは直近の終値に比重を置いて計算されていますので、トレンドの変化に敏感に反応するというメリットがある反面、ダマシが多くなるというデメリットがあります。
SMAとEMAには、それぞれ得手不得手があります。特徴を理解した上でご自身に合ったMAを選択されると良いでしょう。中には、どちらもチャートに表示させている投資家もいます。2種のMAの特徴を把握するためにも、しばらく両方を表示させた状態でトレードをしてみるのも良いかもしれませんね。
移動平均線によって相場のトレンドを知る方法
移動平均線で相場のトレンドを分析するには、「移動平均線の向き」と「移動平均線とローソク足との位置関係」を見るのが最もシンプルな方法です。
移動平均線の向き
移動平均線が上向きなら上昇トレンド
移動平均線が下向きなら下降トレンド
移動平均線とローソク足の位置関係
ローソク足が移動平均線の上にある場合は上昇トレンド
ローソク足が移動平均線の下にある場合は下降トレンド
FXのトレードを優位に進める鉄則は「トレンドフォロー」。つまり、トレンドの方向に逆らわないようにポジションを取ることです。もちろん全てうまくいくわけではありませんが、移動平均線で分析したトレンドの方向に沿ったトレードをすると負ける確率も低くなるでしょう。
まとめ
最後にこのページのポイントをまとめます。
移動平均線とは、過去一定期間の終値の平均値を繋いだ線のこと。期間の取り方はトレードスタイルによって異なるが、20〜25期間の移動平均線は多くの投資家のチャートに表示されている。
移動平均線には複数の種類があるが、SMA(単純移動平均線)とEMA(指数平滑移動平均線)の2つがポピュラー。
SMA(単純移動平均線)は単純に対象期間の終値の平均値を結んだ線。
EMA(指数平滑移動平均線)は直近の終値に比重を置いて計算された平均値を結んだ線。
※EMAはSMAと比べてトレンドの変化に敏感に反応するという優位性を持つ反面、ダマシも多くなるという特徴もある。
移動平均線によるトレンド分析は「移動平均線の向き」と「移動平均線とローソク足との位置関係」を見る。
移動平均線が上向きなら上昇トレンド、下向きなら下降トレンド
ローソク足が移動平均線の上にある場合は上昇トレンド、下にある場合は下降トレンド
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