通貨ペアとは、2国の通貨が対になったものです。その交換レート変動による利益を狙うのがFXの基本となります。
通常、FX会社では20~30ほどの通貨ペアを取り扱っており、その中からトレードをする通貨ペアを選ばなければなりません。
それぞれの特徴を知り、自分に合った通貨ペアを選ぶこともFXで勝つための大切な要素となります。この記事では、取引する通貨ペアを選ぶ際の基準やFX初心者にオススメの通貨ペアをご紹介していきます。ぜひ、お役立てください。
Contents
取引する通貨ペアを選ぶ際の基準
取引量(流通量)
FXの代表的なリスクに「流動性リスク」というものがあります。
流動性とは「換金のしやすさ」、すなわち「売買注文の通りやすさ」のことです。取引量が少ない(流動性)が低い通貨には、売買注文がスムーズに成立しないこともあります。
損切り注文が成立しなかったり、価格の急騰・急落も起こりやすかったりと、トレードの際は比較的大きなリスクを許容しなければなりません。
一方で、取引量の多い通貨ペアは、基本的に買いたいときに買うことができ、売りたいときに売ることができます。値動きも比較的おだやかですので、トレード戦略も立てやすくなっています。
世界中の投資家たちによって多く取引されている通貨を総称して「メジャー通貨(メジャーカレンシー)」、逆に取引量の少ない通貨を「マイナー通貨(マイナーカレンシー)」といいます。
メジャー通貨の代表例…米ドル、ユーロ、日本円、英ポンド
マイナー通貨の代表例…ニュージーランドドル、南アフリカランド、トルコリラ
※FXのリスクについてはコチラの記事で詳しく説明しています。
ボラティリティー
ボラティリティーとは、「値動きの幅」のことです。ポンド円やポンドドルなど、ボラリティーの高い(値動きの荒い)通貨はキャピタルゲイン(為替差益)を得やすいという利点があり、短期的な取引との相性は抜群です。しかし、予想と反する方向に相場が動いたときには大きな損失が発生してしまいます。
為替相場には大小の波を作りながら、上昇・下降を繰り返すという特徴があります。当スクールでは、FX初心者の方には長期的な波にゆったりと乗っていくようなトレードを推奨しています。まずは、値動きが穏やかな通貨ペアでの取引に慣れたうえで、その他の通貨ペアへの投資を検討する方が無難といえます。
◆ボラティリティーの低い(値動きが穏やかな)通貨ペア
米ドル/円、ユーロ/ドル、豪ドル/円など
◆ボラティリティーが高い(値動きが荒い)通貨ペア
ポンド/円、ポンド/ドル、ユーロ/ポンドなど
スワップポイント
スワップポイントとは、取引する2国の通貨の金利差によって発生する利益と損失です。ポジションを保有する日数に応じてポイントが発生し、受取・支払いの額は通貨の組み合わせによって異なります。
為替差益を狙う場合であっても、長期に渡りポジションを保有する場合は、スワップポイントも考慮しておいた方がよいでしょう。
上図は主要通貨ペアの1万通貨あたりの「買いスワップ」「売りスワップ」の一覧です。(※SBIFXトレード 2019年1月時点)
情報量
為替相場は各国が発表する経済指標や政情にも大きな影響を受けますので、大きな損失を出さないためには情報収集も大切な要素となります。FXに関する情報は、ニュースやSNSなどから手軽に入手することができます。多くの投資家が取引をしているメジャー通貨は、特に情報収集がしやすいというメリットもあるのです。世界的に取引量の多い米ドル、ユーロ、日本円は特に情報量が豊富です。
FX初心者にオススメの通貨ペア
①米ドル/円(USD/JPY)
世界経済はアメリカを中心に回っています。FXにおいても米ドルは基軸通貨として多くの投資家の注目を集めています。特に日本では米ドル/円(USD/JPY)は圧倒的な取引量を誇り、どのFX会社でも米ドル/円(USD/JPY)はスプレッドが狭く設定されています。チャート分析のセオリー通りに動きやすく、値動きも比較的おだやかですので、FXを始めたばかりの方には最適な通貨となっています。
②ユーロ/米ドル(EUR/USD)
世界で2番目に多く取引されているのが、欧州連合(EU)共通の通貨である「ユーロ」です。ユーロと米ドルが対になった「ユーロ/米ドル(EUR/USD)」は、外国為替市場で最も取引量が多い通貨ペアとなっています。他の通貨ペアに与える影響も大きく、日本に限らず世界中で最も注目されている通貨ペアだと言えるでしょう。
➂ユーロ/円(EUR/JPY)
ユーロ/円(EUR/JPY)も日本で多く取引されている通貨のひとつです。米ドル/円についていったり、ユーロ/米ドルについていったりと少し浮気性な所はありますが、テクニカル分析も通用しやすく、スプレッドも狭いのでクロス円の中でも特に人気のある通貨となっています。また、東京時間(日中)は、米ドル/円と動きが同調しやすいという特徴もあります。
④豪ドル円(AUD/JPY)
オーストラリアは原油や鉄鉱石など鉱物資源が豊富な資源国として知られています。通貨の流動性も高く、スプレッドも狭く設定されています。豪ドルは金利も高く、スワップポイントを目的とする投資家からも人気があります。豪ドル/円は、米ドル/円と似た動きになりやすいのですが、米ドル/円より交換レートが低いので、より少ない証拠金で運用することができます。
FX初心者にはオススメできない通貨ペア
①新興国通貨
取引量の少ない新興国通貨は値動きが荒くなりがちで、注文が成立しないリスク(流動性リスク)も高いので、FX初心者の方にはオススメできません。仮に取引をする場合でも、メジャー通貨よりも取引量を減らしたほうが良いでしょう。また、新興国通貨は暴落の危険性も高いことでも知られています。スワップポイントの高さは魅力的ですが、2018年のトルコショックのようなことがあれば、目も当てられない損失が発生することになりかねませんので、お気を付けください。
新興国の通貨ペア代表例
◆トルコリラ系
トルコリラ/円(TRY/JPY)、米ドル/トルコリラ(USD/TRY)、ユーロ/トルコリラ(EUR/TRY)
◆南アフリカランド系
南ア・ランド/円(ZAR/JPY)、米ドル/南ア・ランド(USD/ZAR)
②英ポンド系
イギリスの通貨である「ポンド」は世界的な取引量は多く、流動性リスクに関しては問題がありませんが、初心者の方にはオススメできません。その理由はボラティリティーです。つまり、とにかく値動きが荒い!ということ。
投資で成果を出すには、メンタルの管理も重要です。FXに慣れないうちから、ポンド系の通貨ペアを取引すると、価格の乱高下に精神をすり減らす結果になってしまうかもしれません。また、EU離脱問題など政情も不安定ですので、ファンダメンタル的な不安も抱えています。いずれにせよ、より小さなストレスでFXを楽しみたい方はポンド系の通貨ペアの取引を控えたほうが良いでしょう。
英ポンド系通貨…ポンド/円(GBP/JPY)、ポンド/米ドル(GBP/ USD)、ユーロポンド(EUR/GBP)
まとめ
最後にこのページのポイントをまとめます。
①取引量(流通量)
取引する投資家が多い通貨ペアは流動性リスクも低く、売買注文もスムーズに成立しやすい。
為替相場に関する情報も入手しやすく、値動きも穏やか。チャート分析のセオリー通りに動きやすいので、トレード戦略も立てやすい。
②ボラティリティー
ボラティリティーとは「値動きの幅」のこと。ボラティリティーの大きな通貨ペアでは短時間で多くの利益獲得を狙うことができるという利点がある。
しかし、トレードに慣れないうちから、値動きの荒い通貨に手を出すと大きな損失が発生してしまう危険性大!
➂スワップポイント
長期的な波に乗せるトレードをする場合は、スワップポイントにも考慮する必要がある。
④情報量
トレードに有利な情報を入手しやすければ、必然的に勝率も高まる。世界的に多くの投資家が取引している米ドル、ユーロ、日本円は特に情報量が豊富。
①米ドル/円(USD/JPY)
②ユーロ/米ドル(EUR/USD)
➂ユーロ/円(EUR/JPY)
④豪ドル/円(AUD/JPY)
①南アフリカ・ランド、トルコリラなどの新興国通貨
新興国通貨は流動性リスクが高く、レートも乱高下しやすい。高いスワップポイントなど魅力的な点もあるものの、積極的に取引をしない方が良い。
仮に取引をする場合は、メジャー通貨のポジションより取引量を減らした方が無難。
②ポンド系通貨ペア
流通量こそ問題ないものの、とにかく値動きの荒いポンド系通貨ペアも要注意。慣れるまでは見るだけにしておいた方が良いかも…
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