ローソク足の見方【FXで勝つためのテクニカル分析 #2】

以前の記事(「テクニカル分析とは?」)でもご紹介しましたが、テクニカル分析をするにあたっては、過去の値動きをグラフ化した「チャート」というツールが必要不可欠となります。折れ線グラフ、バーチャート、ローソク足などチャートの値動き表示にもいくつかの種類があり、日本では「ローソク足」が主流です。このページでは、ローソク足の見方やそれを利用したチャート分析について解説していきます。チャート分析の基礎となる内容ですので、ポイントを押さえておいてくださいね。

ローソク足とは?

ローソク足とは1日や1時間といった一定期間の為替レートの変動をひとつの記号に表したものです。記号がろうそくの形に似ているので「ローソク足」と呼ばれています。

1本のローソク足には「始値」「終値」「高値」「安値」の4つの情報が詰まっています。

ローソク足は始値より終値が高く為替レートの上昇を示す「陽線」、始値より終値が安く為替レートの下落を示す「陰線」に大別できます。

始値と終値の間にあるローソク足の太い部分は「実体」または「」と呼ばれ、実体の上下にちょんと出た細い線は「ヒゲ」と呼ばれます。

ヒゲの付き方や実体の長さなど、ローソク足の形状も以後の相場動向を予測するうえで、大切な要素となります。

 

チャートの設定は人それぞれ

上図には、陽線の実体を白、陰線の実体を黒で表記していますが、陽線・陰線の色などのチャート設定は投資家によって異なります。上図の組み合わせの他に「陽線:赤、陰線:青」、「陽線:青、陰線:赤」といった組み合わせが一般的です。

 

チャートの時間軸

1本で1時間の値動きを示すローソク足で構成されるチャートは「1時間足」、1本で1日の値動きの場合は「日足」と呼ばれます。トレードスタイルによって、参考にする時間足を使い分けるのが有効です。

・スキャルピング(超短期売買)→5分足、1分足など

・デイトレード(短期売買)→1時間足、15分足など

・スイングトレード(中長期売買)→週足、日足、4時間足など

 

※トレードスタイルについてはこちらの記事で詳しくご説明しています。

自分に合ったトレードスタイルの選択【FXの始め方 #4】

2019.05.26

 

複数の時間軸のチャートを見て環境認識

トレードスタイルによって参考にするチャートを使い分けると申し上げましたが、ひとつの時間軸だけで売買の判断するのはよくありません。「1時間足では安値圏にあり、買いたい雰囲気であったとしても、日足で見るととんでもない高値圏だった」ということがよくあります。売買の判断をする際には、複数の時間軸のチャートを確認して、相場環境を把握しておいた方が良いでしょう。このように、複数の時間軸のチャートを確認して様々な角度から相場を分析することを「環境認識」といいます。

 

ローソク足の分類

ローソク足の形状はざっくりと「大陽線」「大陰線」「小陽線」「小陰線」「十字線」の5種に分類できます。

 

大陽線・大陰線

大陽線…始値から終値にかけて大幅に上昇したときに出現。買いの勢いが強いことを表し、その後も上昇が続く可能性が高い

大陰線…始値から終値にかけて大幅に下落したときに出現。売りの勢いが強いことを表し、その後も下落が続く可能性が高い

小陽線、小陰線

小陽線…始値から終値にかけて小さく上昇した時に出現する陽線

小陰線…始値から終値にかけて小さく下落した時に出現する陰線

十字線

十字線始値と終値が同価格で実体部分がないトレンドの転換期によく現れる。

 

ローソク足の売買シグナル

ローソク足に含まれる4本値(始値、終値、高値、安値)の組み合わせや値幅には多彩なバリエーションがあります。1本のローソク足の形状から、その後の上昇・下落の気運を予測することもできます。

丸暗記する必要はありませんが、以下に陽線・陰線の代表的なパターンをまとめていますので、お役立てください。

 

大陽線のパターン

陽の丸坊主

始値が最安値、終値が最高値となったときに出現。上ヒゲ、下ヒゲが無く、買い手の勢いが強いことがわかる。

陽の大引け坊主

始値から少し下落し、その後大きく上昇して高値と終値が同価格の陽線。陽の丸坊主と同様に、買い手の勢いが強いことがわかる。

陽の寄り付き坊主

寄り付きから勢いよく上昇し、高値から少し下落したところが終値となっている陽線。強い上昇があったものの、終盤になって高値圏への警戒感が出てきたことが読み取れる。

 

大陰線のパターン

陰の丸坊主

始値から終値にかけて大きく下落したときに出現する陰線。売りの勢いが強いことがわかり、さらなる下落を示唆する。

陰の大引け坊主

始値から少し上昇したものの、その後は終値まで大きな下落が続いたときに出現する陰線。陰の丸坊主と同様に、売り手の勢いが強いことを意味し、下落が続きやすい。

陰の寄り付き坊主

始値から大きく下落し、安値から少し上昇した位置に終値をつけた陰線。売られ過ぎへの警戒感が出てきたことが読み取れるので、上昇に転じる可能性があるといえる。

 

小陽線のパターン

下影陽線、陽のカラカサ

始値から大きく下落して安値をつけ、そこから大きく上昇した時に出現する陽線。買い手の勢いが強く、その後も上昇する可能性が高い。

 

上影陽線、陽のトンカチ

始値から大きく上昇したが、高値をつけたところから下落に転じ、始値よりわずかに高い終値をつけたときに出現。下落気運を示す陽線。

 

陽のコマ

価格が大きく上下し、終値が始値をわずかに上回って引けた陽線。買い手と売り手の勢力が拮抗しており、相場の迷いを示す。

 

小陰線のパターン

下影陰線、陰のカラカサ

始値から大きく下落したものの、安値を付けた後に買い手の勢いが強くなり、終値が始値をわずかに下回って引けた陰線。買い手の勢いが強い上昇気運を示す。

 

上影陰線、陰のトンカチ

始値から大きく上昇したものの、高値を付けた後に失速し、始値をわずかに割れて引けたときに出現する陰線。売り手の勢いが強いことが読み取れ、その後も下落する可能性が高い。

 

陰のコマ

価格が大きく上下し、終値が始値をわずかに下回って引けた陰線。買い手と売り手の勢いが拮抗していることを示す。

 

十字線のパターン

トンカチ

上ヒゲが無く、下ヒゲが長い十字線。買い手の勢いが強く、上昇気運であることを示す。

トウバ

下ヒゲがなく、上ヒゲが長い十字線。売り手の勢いが強く、下落気運であることを示す。

足長同時線

上下に長いヒゲがある十字線。買い手と売り手の拮抗しており、相場の方向性に迷いがあることを示す。

 

まとめ

最後にこのページのポイントをまとめます。

 

ローソク足とは、一定期間の為替レートの変動をひとつの記号に表したもの

1本のローソク足からは、「始値」「終値」「高値」「安値」の4つの情報を得ることができる。

始値より終値の方が高いローソク足を「陽線」、始値より終値の方が安いローソク足を「陰線」という。

 

1本のローソク足が形成されるまでの期間によってチャートの呼び方が異なり、1本で1時間の値動きを示すローソク足で構成されるチャートを「1時間足」、1本で1日の値動きの場合は「日足」と呼ばれる

ローソク足の形状には4本値(始値、終値、高値、安値)の組み合わせや値幅によって、多彩なバリエーションが存在する。ローソク足の形状は、その後の値動きを予想するための貴重な情報源となる。

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